
せっかく外観にこだわったのに、電柱のせいで台無し!
こんなことにならないように、事前にできることをやっておきましょう。

今回は、新築を建てる際の「敷地内電柱」についてのお悩みを解決します。
家づくりをしていると、
・どんな形の家にするか
・屋根の色はどうするか
・内装はどうするか
など、「建物」のことばかりに目がいきがちです。
これは当然のことですが、一歩引いて、そもそも
「電気はどこから引けるのか」
は抑えておくべきポイントです。
なぜなら、せっかくこだわった外観を損なう可能性がある「電柱」を自分の敷地内に建てることになるかもしれないからです!
「近くに電柱もあるし、電気はそこから引けそうだな!」と思っていても、その電柱から電気は引けないことだってあります。
我が家は、家の間取りが決まった後に電柱の話が出てきたので、最初は非常に焦りました。

でも、諦めずに調べ、何度も交渉することにより、納得できる位置に納得できる形で、電柱が建つことになりました!
「何もできない。涙」と諦めずに、あなたもこの記事を読んで対策しましょう。
実際に我が家が取り組んだ内容なので、きっと役に立つはずです。
こんな方向けの記事
- 敷地内に電柱を設置することになったが、漠然と不安に思っている方
- できるなら敷地内に電柱建てるのは嫌だなあと思っていて、後悔したくない方
- 敷地内に電柱を入れるメリットデメリットを知りたい方
電柱に関する基礎的な内容は、こちらの記事で紹介しています。↓
①電気はどの電柱から引けるのかを確認する

これが一番重要なポイントです。
打ち合わせの早い時期にハウスメーカーの営業さんに確認するようにしましょう。
理想は、最初のプラン提案を受けた時!

どの電柱から引けるのかは、電力会社の判断が必要です。
近くに電柱があったとしても、何かしらの理由でその電柱からは電気が引けないといった場合もあります。
近くの電柱から電気を引けない場合には、電柱を敷地内に新設することになります。
ここで「どこに設置するか」が問題になってきます。
最初のプラン提案を受けた段階で確認していれば、電柱の建柱場所を変えたり、建物の配置自体を変えることもできます。
ですが打合せの後半になると、敷地内の建物の位置が固定されているため、電柱を建てる場所を選べなくなってしまいます。
特に狭い土地に家を建てる場合は要注意です。
ポイント
どこの電柱から電気を引くのか、建物の配置が決まる前にHMに確認しよう!
電柱を敷地内に設置するメリットとデメリットを整理する
次に、メリットとデメリットを整理していきます。
メリットはたった一つ
電力会社から「敷地使用料(土地使用料)」が支払われる。
自分の敷地内に電柱が建つメリットは、これにつきます。
敷地使用料とは、電力会社やNTTが設置する電柱などの借地料として土地所有者に支払われるお金のこと。電気通信事業法施行令により金額が定められており、各電力会社共通。
多くの場合、年間1本当たり1,500円支払われます。

金額としては決して多いとは言えませんが、不労所得です。もらえるものはもらっておきましょう。
デメリット
メリットが1つしかない一方で、デメリットは4つもあります。
- 景観が悪くなる
- 駐車場にあると車が出し入れしにくい
- 電柱の影がかかる
- 鳥が電線に止まる。糞が落ちてきやすい
中でも①は最大のデメリットです。電柱があるよりも、ないほうが景観がいいのは間違いないですよね。
景観の保護については、国としても無電柱化を進める動機にはなっています。
しかし、地中へ電線類をまとめようとすると、莫大な費用がかかる上、自然災害時の復旧や故障やメンテナンスの際に時間がかかる、ということもあり難航しているそうです。
とはいえ、電気は生活には欠かせないもの。。。
電柱を新規で設置する必要がある場合はこのデメリットを飲むしかないのですが、それぞれに対策が可能です!
電柱を建てるか、スッキリポールを建てるか検討する

敷地内に電柱を設置すると、景観を損ねるから嫌だ。電柱以外に電気を引く方法はないの?
そう感じている方は、「スッキリポール」という選択肢も検討してみてください。
「スッキリポール」を敷地に設置することで、電柱を設置するよりは存在感を無くすことが出来ます。

スッキリポールについて詳しくは、公式サイトへ ▶︎▶︎▶︎スッキリポールの特長
スッキリポールのメリット
- 電柱そのものの見た目が電柱よりもスタイリッシュ
- スッキリポールに配線をひとまとめにできるため、建物の外観がすっきりする
- 壁を痛めない
- 電線は地中から引き込みを行なうので電線が敷地を横切らない・庭木に干渉しない
- 電気料金メーターがついているので、検針員が敷地に侵入しなくても検針が可能
これだけ見ると、採用したくなりますね!

スッキリポールのデメリット
一方、デメリットもあります。
工事費が高い
新規で電柱を建てた場合、電柱の所有者は電力会社かNTTとなりますので、設置費用は電柱の所有者が負担してくれます。
施主には設置費用はかかりません。
しかし、スッキリポールは「自費」で電気工事屋さんに頼む必要があります。
工事費は安くありません、およそ数十万かかることが多いようです。
我が家でスッキリポールを設置する場合、20~30万は最低でも掛かると言われ、設置は見送りました。

メンテナンスが必要
電柱の場合、所有者(電力会社もしくはNTT)が数年に一度定期的な見回り確認を行ないます。
異常があれば所有者が修繕を行なうことになり、施主の負担はありません。
スッキリポールは、所有者はポールを建てた施主ですので、日頃のメンテナンスも自分で行なう必要があります。
さらにスッキリポールの寿命はあまり長くなく、設計耐用年数は10年となっています。
私たちは、費用面・メンテナンス面でのデメリットが大きいスッキリポールではなく、電柱を建てる選択しました。

どのような電柱が設置されるのか確認する
電柱を新設すると決心したら、次は、どのような電柱が建つのか確認しましょう。
私たちの場合、電力会社の設計者が家の配置図を基にその土地にあったベースプランを考えてくれ、
HMが作成した図面に、この位置に電柱を設置しますよ~という資料が送られてきました。
しかし、どのような種類の電柱が新設されるのか、についてはその資料では読み取れませんでした。
ですので細か~く質問をしました。例えば、
- 新設の電柱の高さは?
- 電線の高さは?
- トランス(変圧器)は付く?
- 支線(電柱を支持する為の、電柱上部から地上へ斜め方向に張る線)は付く?
ポイント
自分の敷地内にどんな電柱が新設されるのかを知った上で、デメリットを解消するための戦略を具体的に考える!
敷地内のどこに設置するかを確認する
私たちの場合、最初のプランではなんと玄関アプローチの目の前に設置される予定でした。

敷地内のどこに設置しても、景観に影響する電柱。
さすがに「えええ。。。」と思い、HMと電力会社へ相談したところ、玄関を避けるプランを作成してくれました。
それが「駐車場の角に1本、ダイニング南に1本+支線」
玄関の前は避けられましたが、敷地内に電柱2本+支線。。。
駐車場に電柱があることで、車の出入りがしにくくなります。
さらに電柱から電柱までの電線位置が低く、道路から見ると電線が建物を横切るようになってしまいます。
景観にかなり影響しそうです。

そこで私たちから、敷地奥(景観を損ねない場所)へ電柱を設置する案はどうか提案したところ、
電柱が引っ張られる方に強度の問題があり没。
その後、数回相談を繰り返し、ようやく最終的な案が出ました。
電柱位置の最終案
- 電柱の高さを15m(地上から12.5m)に変更
- 電柱までの電線をできる限り伸ばすことで電柱は1本に
- 電線は我が屋根の上を通る高さに変更してもらい、なるべく景観に影響しないように調整
太陽光パネルへの影響はないか確認する

さて、次にソーラーパネルへの影響を考えます。
影響を与えるものとして考えられるのは「電柱の影」と「鳥のフン」です。
我が家は太陽光パネルを南側の屋根の中央に設置する予定でした。
そして電柱は建物の南に設置される計画だったので、電柱の影が太陽光発電の発電量に影響してしまうのではないかと心配になりました。
北洲の営業さんに相談すると、電柱の影を考慮した太陽光の発電シミュレーションはメーカーでもしていないとのことでしたが、
設計士さんのご厚意で、電柱を設置した場合の夏と冬の太陽の動きを比較した資料を作成してくれました。ありがたい!
資料によると、屋根の中央にパネルを設置した場合、夏は影があまり伸びない為問題ないと思われるが、冬については特定の時間(午後)は影が太陽光パネルに掛かってしまうということが判明しました。
この結果を受け、早速太陽光パネルメーカーのオンライン相談に申し込みました。
メーカーの担当者とパネル位置と、系統分けについて相談し、最も影響を受けにくい設置位置はどこか検討しました。
そして最終的に、
- パネル位置を南側屋根の中央から「右上」に移動する計画に変更
- 系統分けを上下に均等にするのではなく、日陰に合わせて斜めに設定することで、日陰になった場合の発電量への影響をなるべく少なくする
という選択をしました。
ここまで考えて太陽光パネルを設置する人はあまりいないのでは!?

鳥のフンについては電柱設置後、影響が出たことを確認した後であれば、「鳥よけ」設備を電力会社が無料で取り付けてくれます。
交渉は最後まで諦めない
前述の通り、我が家に設置される電柱は協議の結果1本になりましたが、実は電柱に対して、支線も1本ついていました。
支線:片側に電線の張力が掛る場合に反対側に張り、張力のバランスを取る線
私たちの場合、支線の中でも電柱と地面をつなぐ「地支線」が付く予定になっており、電柱から地支線が地面と接するまでの距離(根開き)は4mで設定されていました。
HMと電力会社との協議の中で「できるなら支線は無くしたい」という意思を伝えていましたが、
「電柱が最終地点になるのでこの支線は外せない。根開きは4m以下にすることはできない。」と聞いていました。
しかし協議の終盤、電柱の設計士の方と直接お話する機会があり、支線が必要な理由や根開きの距離について、再度確認したところ、
「強度計算をしたところ、根開きを2.5mに変更することが出来ますよ」
との回答が。
さらに上司に掛けあってくれたらしく、後日連絡があり、
「そもそも地支線の設置をしなくても電柱と電柱をつなぐ「水平支線」の設置で対応できるかも知れないので、再度現地に行って確認したい」というお話がありました。
当日私も現地へいくことに。
現地確認の結果、水平支線での対応が可能という判断になり、我が家の敷地に地支線を設置することは無くなりました!!

おかげさまで、敷地の中で、地支線自体が邪魔になることはありませんし、見た目もスッキリすることでしょう。
電力会社の関係者の皆さまには、ご尽力頂き本当に感謝しています。
最後の最後の確認や交渉をしていなかったら、存在感のある地支線が設置されることになっていたかと思うとぞっとします。
まとめ:電柱によって一生後悔することがないようにしよう

実施すべきことまとめ
- 電気はどの電柱から引けるのかを確認する
- 電柱を敷地内に設置するメリットとデメリットを整理する
- 電柱を建てるか、スッキリポールを建てるか検討する
- どのような電柱が設置されるのか確認する
- 敷地内のどこに設置するかを確認する
- 太陽光パネルへの影響はないか確認する
- 協議内容の確認は必ず行なう
「電柱」は設置すれば一生もの。
見逃しがちですが、上記を参考にしっかりと確認を行なっていく事をおススメします。
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